第9回けしごむ・はんこ・てん 大作品制作秘話【前編】

2019/03/05 ブログ
けしごむ

<試作~下絵> 

2018年8月の終わり。

 水中の光を消しゴムはんこで表現するにはどのようにすべきか、と試作を始めました。

まずははがき大から、インクの重ね方を工夫。

 

並行してラフ画も描き始めます。

まずは古い型のiPadに無料お絵かきアプリPen&Inkを入れて描きました。

 

第8回けしごむ・はんこ・てんに続いて、今回も海がテーマ。今回は画面いっぱいに大きく海の生き物を描こうと思いました。

色々な海域の生き物を描きたかったので、水族館で空想を巡らせる家族の姿を描くことにしました。

空想の中では、子どもたちも一緒に魚たちと泳ぐことができます。

そんな自由な心がテーマです。

10月に入り、はんけしくん特大サイズがやってきました。改めて見ると大きい…

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Pen&Inkでのラフ画をIllustratorで50×50cmに調整し、A4用紙に分割してプリントアウト。それを繋ぎ合わせて手描きでの修正を加えていきました。

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しかし、白い紙に描いていても印影の想像がしづらくて、制作は難航。

ついに、iPad Proを導入することにしました。はんこの図案描きに良いと評判のProcreateも入れて、いざ。

とはいえなかなか使いこなせず、11月下旬にひろせはなこさんの講習会で色々と教わり、ようやく波に乗り出しました。

彫るところを白、と分かりやすく作画できるし、構図の変更も簡単にできるし。本当に助かりました。

 

そうこうしている間にも、どうしたら光の表現や奥行きを表せるのか?と悩みに悩んでいました。試行錯誤した結果、Procreateはレイヤーで絵を分けられるので、下絵を2枚に分割し、ハイライトの白を1版目に彫り、全体像を2版目にしたらどうだろう…と思い立ちました。

しかしいきなり本番で試すのは怖い。

ということで作ってみたミニサイズの試作がこちらです。ついでに色もどういう組み合わせにしたら良いかを熟考。

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少しずつイメージが膨らみ、下絵を「1版」「2版」とどうわけたらいいかが明確になってきました。

そうしてできた下絵がこちら。これは1版目です。

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これが2版目。

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何しろ大きくて鉛筆跡を消すのも一苦労だろうと思い、下絵をさらに白黒反転させて、「黒いところを彫る」ということにしました。

黒いところを彫っていけば、残った印面は白くなるはず。と思ったわけです。

実際は彫ったカスの鉛筆の粉が印面について、かなり汚れましたが。

 

この画像は白黒反転させたものです。これをプリントアウトしてトレース作業に入ります。

 

後編につづく

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